熱くなれる場所へ
2010年8月31日。Web業界に激震が走った。
誰?と思う人も多いだろうが、日本野球界に例えて言うなら、ダルビッシュが日本ハムを退団する、というくらいのニュースだと思っていい。
…ちょっと大袈裟ですw
大袈裟ではあるが、まだまだまだまだWeb業界に明るくないただのミーハーである自分がその名前も顔も知っていて、退職が一つのニュースとして扱われ、彼のブログに見たこともないほどのはてなスターが贈られていることを鑑みれば(まぁはてなのCTOだからな。。)、彼のPlayerとしての知名度、存在感をこのように例えたとしてもそう外れているものではあるまい。
(ここでは、Manager≒経営者・ディレクター的な表現の対称としてPlayer≒技術者、開発者と表現してみる)
日本でも、一技術者の動向がこんなにも大きなニュースに取り上げられる時代なんだなぁ。
次はどんなことやるのかな。新たなサービスの立ち上げか、はたまた外資への転職か。
なんてことを多くの人達が妄想したであろう。
だが翌日、さらに大きな衝撃が我々を襲った。
驚いたと同時に、若干の失望を禁じ得なかったのは自分だけではなかったようだ。
これは思うに、はてなユーザーとグリーユーザーが、殆ど重複してないことに起因すると推測する。
はてな志向の人は、割合Webリテラシーが高く、独断と偏見を交えて言えば、ほかにTwitterやTumblrやUstreamやEvernoteやどんどんリリースされるわりと新しいサービスを弄ることを好む。
グリー志向の人は、誰にでも扱える簡単なサービスを好み、独断と偏見を交えて言えば、ほかにmixi(アプリ)やDeNA(モバゲー)やアメーバのサービス(ピグとか)を好む。
(Facebookはよーわからん。どちらかと言えば前者だが、まだ日本では使うメリットが見えづらい。)
つまりはてなユーザーは、グリーなんて興味がない、よく知らない、くだらない釣りのゲームとかだしてる会社でしょ?って認識だったから、なんかガッカリ。。金か。。って人が多かったようだ。それでも、伊藤直也が入社する、ということで彼らの注目を集める効果はあったように思う。
そして、話はまだここでは終わらなかった。
一昨日。
「たいへんな所に来ちゃった」 はてなからグリーに移った伊藤直也さんに聞く
ここで、グリーのブランディング戦略は一つの完成を見るのだろうw
それはさておき、最後の記事は是非多くの人に読んで欲しい。
上記3つの記事、いや、最後の記事だけでも、それを肴に一晩語り明かせそうな気がするw
一時期、マーケティングのマの字も知らない自分ですらも、「Brue Ocean戦略」なるものを知るほど流行していた時期があった。特定のパイを多くの競争相手と血を流し合いながら奪い合うのではなく、まだ誰もいない真っ青な海で商売をしよう、ということだ。
また、猫も杓子も「No1よりOnly1」みたいな時期もあった。(個人的には辟易だ。。)
そんな風潮と逆行して、「もう一度競争の中に身を置く」ことを求め、またその環境を楽しんでいる彼をみていて、刺激を受けずにはいられない。多分多くの人がそうだろうとは思うが、もしあまり感銘を受けない人がいるとすれば、Player型というよりはManager型であるか、長いものに巻かれて生きて行くことを志向しているかどちらかだろう。
(ここでは、Manager≒経営者・ディレクター的な表現の対称としてPlayer≒技術者、開発者と表現してみる)
誰の真似でもない、トレンドを追いかけるわけでもない、自分の好きなものを作りたいはてなCEOの近藤淳也氏。
トレンドの中心、今最も輝いていて、かつ人も情報も技術も集まり進化している中で競争しながら己を高め、サバイブしていきたい伊藤直也氏。
いろんな比較の仕方があるだろうけど、ManagerとPlayerで分けて考えてみると、ちょっと面白いね。
ただ、勿論やっぱり共通点はある。
己の熱くなれる場所を求めて生きるということだ。
はてな社外取締役の梅田望夫氏がその著書やブログで何度も主張していた、バンテージ・ポイントを目指せ。
この言葉を借りるなら、
若者は熱くなれる場所を目指せ。
ということだろうかね。
長いものに巻かれて与えられたものをこなしてぬくぬく生きるのはもう時代遅れになりつつある。
それをわかった上で生きていかなきゃいけない。
まだまだまだまだ行動が伴っていないけど、口だけだと言われるのを恐れて口を閉ざすようなことはしたくないね。安全なところに逃げてちゃいけない。語り続けていれば、いずれ行動も伴ってこようw
以上、ただのはてなフリーク(そんなヘビーじゃないけど。。)の戯言でした。
じゃ。
参考)ホットココア社長日記:無いから作ってる人たちが羨まし過ぎて泣けてきた
そういや、えがちゃんも起業したときニュースになったな。オレはそれでこの人を知ったんだが。。
- 作者: 近藤淳也
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2006/02/13
- メディア: 単行本
- 購入: 62人 クリック: 1,985回
- この商品を含むブログ (1100件) を見る
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
- 購入: 61人 クリック: 996回
- この商品を含むブログ (2353件) を見る
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/11/06
- メディア: 新書
- 購入: 91人 クリック: 724回
- この商品を含むブログ (1191件) を見る