厳しい世界の中に棲む至福

どうも、にわかラグビーファンです。
いまさらですが。。
ラグビーW杯、熱くなりましたね!!



南アフリカ戦のハイライト、何度も見ました。
画質は悪いですが、この南アフリカがリードした後からの展開が、一番胸が熱くなる。


ラグビーは、体をぶつけ合う陣取りゲーム。
ボールを保持する時間が長く、相手陣地により近い場所でプレーし、多くの攻撃機会を作った屈強なチームが勝つ確率が高い。
番狂わせが起きにくいスポーツと言われる。
南アフリカへの勝利を「スポーツ史上最大の番狂わせ」と呼ばれる所以だ。



さて。


緒戦の南アフリカ戦のスポーツ史に残る大金星で世界から、そして日本中から注目された日本ラグビー
この南アフリカに勝ったことで、敵チームからマークされる存在となったが、身体能力で上回るサモアに(点差の上では)完勝し、南アフリカ戦に主力を温存して日本戦に必勝を期してきたアメリカを撃破した。
残念ながら決勝トーナメント進出はならなかったが、W杯史上初めて、予選POOLで3勝を上げながら予選敗退したチームとなり、これまた歴史を作った。
これまでの日本ラグビーでは考えられない、素晴らしい大躍進、この四年間の努力を見事に実らせて結果で示した。

この華やかな中にもしかし、勝負の世界の厳しい現実をまざまざと見せつけられる。
予選POOLは、POOL B 以外は全て、4勝、3勝、2勝、1勝、0勝と、5チームがキレイに並ぶ順位結果となった。
しかもほぼ世界ランキング順だ。
ラグビーは番狂わせが起きにくいスポーツ、というのを感じる
http://rugby-rp.com/nw_ranking.asp
(この結果はW杯の結果が反映されてはいるが。)

が、注目するのは、予選POOLで3勝したチームのうち、ボーナスポイントを獲得しなかったチームは日本のみということだ。
つまり、日本はW杯で1試合4トライを奪えた試合が無かったということだ。
W杯の予選POOLを突破するためには、世界の強豪に対し、1試合4トライを奪って勝つ実力が必要なのだ。

エディ・ジョーンズHCが就任した四年前、日本は世界ランキング19位だった。
それから最高9位までに駆け上がったのは賞賛すべき結果である。
この結果を得るために、エディは日本に世界一過酷と言われるトレーニングを化した。
朝6時から夜21時まで、練習漬けの合宿である。

W杯で過去1勝しか出来なかった弱小国が世界のベスト8になるためには、世界一の練習が必要で、それでもなお届かなかった。
彼等は、大躍進の為に必要なトレーニングを積み上げてきたのだろうが、それでも十分ではなかったのだ。
(一発勝負の大会に運や勝負のアヤというものはあるにせよ、結果が全てである。)



昨今、ブラック企業と呼ばれる企業が増え、労務管理が重要だと叫ばれているが、スポーツ選手の奮闘を見ていると、全く別の次元のことだと思えてくる。
それは、ブラック企業の労働が、企業にやらされていることであるのに対して、スポーツ選手のトレーニングは、(トップダウンであるにせよ)選手自身が能動的にコミットする結果において、必要なものであることを知っているからである。
勿論、過酷なトレーニングに耐え切れなくなる選手もいるだろうが、それでも、苦しい思いをしてなおその手に掴みたい結果の為に、彼等は自分を奮い立たせて自らを鼓舞し続けるのである。


好きなことに全力で取り組めること、そして、結果を出し、賞賛され、仲間とともに喜びを分かち合うこと。
人生において、至福の時の一つであろう。