思索紀行(もどき) 人を焼く火を見つめて
初めてゆっくり落ち着いて、ガンガーでの火葬を眺めることが出来た。近くでじっくり見れるわけでもなく、また時間も短かったけど。
布に包んだ遺体を一度ガンガーに浸し、薪を積んで火をつける。布が燃え、だんだん体が露になり、そしてその形をなくしてゆく。
その様を眺めていると、なんか頭がすっとしてきたというか、正常に近い感覚でまわり始めてきたというか。今までなんか体と一緒に気持ちもふわふわしていたというか、バラナシの空気にやられていたのかなw
遺体の焼ける様を見ることは、確かに日本ではあまり見るべきではないもの、忌むべきものというかもしれない。でもなぜだろう。人の死を見つめること、人の体の終焉を見つめることは、人の生を見つめること、即ち、自分自身を見つめることではないだろうか。人の死というものが身近でなくなった現代の日本において、死を忌み死から目を背けることは、生を見つめず盲目的に生きていることが絶対というどこかおかしな社会常識を生んだ。最近では、穏やかに死を迎える終末期医療も普及しつつはあるが。
聖なる河、ガンガー。
その傍で人の遺体を焼き、灰を流したその河で、人々は沐浴し、体を洗い、洗濯をし、また楽しそうに泳ぐ。そこには魚もすみ、おっちゃんが餌付けする。多分フィッシュカレーだかになるのだろう。そして川岸には打ち捨てられた無数のごみ。。
こんなカオス、こんなを日常が作る独特の雰囲気にどこか酔っていたのかもしれないねぇ。
『ガンジス川でバタフライ』を読んで自分とこの国の人の日常と非日常に思いを馳せ、『納棺夫日記』で死生観に考えをめぐらす。
まだまだ、旅は続く。。
じゃ。
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