ダンス・ダンス・ダンス(上)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)


羊をめぐる冒険』から四年、新たな冒険が始まる。


村上春樹の三部作、まだ続きがあったんだねぇ。


村上春樹が綴る観念的な表現と不思議な世界。
それは彼の真骨頂だが、こんなにも感情豊かに描いた作品が他にあっただろうか。
客観的な描写で淡々と進行する村上作品とはまた違った感覚を覚える。



「踊るんだよ。音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言っていることはわかるかい?踊るんだ。踊り続けるんだ。何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。」

「でも踊るしか無いんだよ。それもとびっきり上手く踊るんだ。みんなが感心するくらいに。」

「だから踊るんだよ。音楽の続く限り。」



「僕」の所属する二つの世界と、「僕」がこれまで失ってきた様々なモノ。そして新たな出会いと出来事。
これらがどのように繋がり、収束していくのか。


刻まれ始めたステップは加速していく…。