沈まぬ太陽(1)(2) アフリカ編(上)(下)

やっと読み終わった・・・。
意地で読み切った・・・。
でもやっぱ最後はサクサク読めちゃうのね。
全五巻、3編に及ぶ大作は、最初の3冊はプロローグ。長いわ。。(1冊4〜500ページ)
編ごとにレビューを。


沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)


日本最大の航空会社、国民航空(日本航空がモデル)のエリートコースを歩んでいた恩地は、計らずも労働組合の委員長に抜擢される。
仕事と家庭を犠牲にしながらも、「空の安全」のため、従業員の待遇改善を会社から勝ちとり、「輝ける委員長」と二度の任期を全うした恩地を待っていたのは、足掛け10年、3箇所に及ぶ海外僻地勤務という流浪の刑であった・・・。



アフリカ編は、正直途中で読むのを辞めようかと思った。

理由(1)
大企業(しかも半官半民)の派閥経営・懲罰人事の横行がこれでもかと書き連ねてある。
にも関わらず「カッコいい大人」が出てこずに救いようがない。

理由(2)
労働争議に興味無い、どころか、弊害も多いのではないかと思っているし、こんな仕打ちを受けてるのならサッサと会社辞めればいいのに、と思った。
会社と雇用者じゃ確かに会社が強いけど、仕事よりも労働運動に時間割いて待遇ばかり求めて経営圧迫したら元も子もないよなー、と。
描かれているのは1960年代〜だろうか。
雇用の流動性なんて皆無の頃だし、時代が違うんだなー。



華麗なる一族』が面白かったのは、
(1)日本の産業構造が時に精緻に、ダイナミックに描かれている。
  勿論ドロドロとした魑魅魍魎とした世界もだが。。
(2)主人公、万俵鉄平がカッコいい。
  恩地とは違った、会社を、日本を支えるという理想に燃える好漢。



アフリカの描写は良かったけどねー。
恩地に全く同情できなかったのさ。
ドイツもコイツも金と地位と名誉に薄汚い輩ばっかり。
もしくは、「こんな仕打ちを受けながら頑張っている人もいる。オレだけ寝返ったり逃げたり出来ない」という情に厚い(?)理想主義者たち。
辟易しながらなんとか読みきった2冊。
いや、よく読んだと思うよw