沈まぬ太陽(3) 御巣鷹山編

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)

度重なる航空機事故を起こした国民航空の経営体質が次第に世間の目に晒される。
10年の海外僻地勤務の末、元労働組合委員長恩地は、ようやく家族の待つ日本へ帰ることとなった。
しかし、会社の体質は改善されぬまま、遂に航空業界史上最悪の事故を招いてしまう。

この凄惨な事故による遺族や現場の人間の苦悩を、なんと生々しく悲哀に満ちた筆致で描かれていることか。
綿密な取材に裏打ちされたドキュメンタリーとも言える作品は、山崎豊子の真骨頂とも言える。