沈まぬ太陽(4)(5) 会長室編(上)(下)

沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫)

沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫)

御巣鷹山事故の後、経営陣は引責辞任
1社に4つの労働組合が林立する国民航空の体質改善の為、新たに労働政策に実績のある国見が会長として就任した。
恩地は真摯な人柄と過去の労働組合委員長としての実績を買われ、新設された会長室の部長に抜擢される。
しかし、残った経営陣・取締役と、彼らと癒着したマスコミ・政治家・官僚による利権をむさぼる体質は変わることはなく・・・。
次々と表面化していく腐敗の構造と孤立していく国見政権の行く末は・・・。




半官半民企業の、利権を貪る癒着体質を痛烈な批判を持って描く半ジャーナリズム。
国民航空の経営陣、政治家、官僚が跋扈する、水面下でうごめく魑魅魍魎の世界。
ようやっと面白くなってきた!w
未曽有の大事故を起こし、今なお苦しむ遺族がいてもなお、己の利権に固執し、長いものにおもねり臭いモノに蓋をする経営陣の隠蔽体質。
真に会社の為を思い体質改善を叫ぶものを排他しようとする、なんと辛気臭い腐った組織であろうか。


しかし、このタイミングでこの本と出会ったのも何かの縁か。
震災後間もなくして、政局ばかりが報じられる今の政界も全く同じ構造ではないのか。。
甘い蜜は麻薬。
そして、人間の業のなんと深くドス黒いことだろう。。


想いと行動力だけでは事は成せない。
カリスマ的なリーダーであっても、想いを同じくし共に歩む仲間が必要なんだろうなぁ。。


そして最後に衝撃的な・・・!


どのような状況に陥っても、自分の力でたくましく生きていきたいですね。