全面対決 〜政界の盟主を座を巡る物語〜

昨年、西松問題で「世間をお騒がせ」させていた小沢民主党幹事長の元秘書が
政治資金収支報告書の虚偽記載容疑で逮捕された。
これを受けてか否か、だんまりを決め込んでいた小沢氏が遂に重い口を開いた。


民主党大会あいさつ全文


全面対決だと。


某新聞のコラムでもあったが、これが山崎豊子氏の小説の話なら、
物語が動き出してワクワクしてくる展開だね。
事実は小説よりも奇なり。


「逮捕者出して本人が容疑認めてんのにまだそんなこと言うの?」
って思った人、少なくないんじゃないかなぁ。。
ま、自分のことですがw



最近小沢氏の周りはもうわけくちゃわからん。


今小沢氏自身にかけられている嫌疑は、
小沢氏の資金管理団体陸山会」が、2004年に購入した土地の資金4億円を
企業からの裏金(企業献金は禁止されている。なぜか個人からはOK。)で調達したのでは?
というもの。
(最近某ゼネコンに捜索が入ったのはそれ)
でも小沢氏個人の資産も当時4億円あった、というので、
その資産の出所に疑いがあるのか、その資産と別に資金調達して土地購入したのか、それはよく解らんが。。


今回、元秘書が続々逮捕されているのは、
陸山会の2007年の政治資金収支報告書政治団体の会計簿。国会議員には提出義務がある。)に、
4億円の支出記載をしなかった、というもの。
(これは土地購入と関係あるのか?偶然か?)


土地が購入されたのは2004年だから(今のところ)直接的な関係はないといえるわけね。
小沢氏が怒ってるのは、関係ない事件でなぜ今の時期(党大会直前)に逮捕されるのか。
しかも収支報告書の記載ミス程度なら、提出後に修正して提出することもできるのに、なぜ逮捕されるのか。
ということだ。
(ここまで読んでみても、これらを規定する政治資金規正法ザル法ってのがわかろう。)
そして、これらは西松問題とはどうも関係ないっぽい。
言ってみれば、叩いてみたらいっぱいホコリが出てきた、ってとこか


こうして小沢氏の「説明責任」を求める声が大きくなった中での今回の党大会。
小沢氏のあいさつ全文を読んでみた。
「きちんと説明したか」という点で見れば不十分だろう。
4億円の個人資産がどこから来たのか、という点について語っていないからだ。
だが、「説明責任」という言葉を使うと違和感がある。
それは小沢氏が語るべきことだろうか。
検察の捜査結果とそれによる対応を待ちたい。




で、前置きは終わり。
長かったな。。w


面白いのは、今後の小沢氏の処遇次第で今後の日本の政治に、
計り知れない大きな影響が出る状況になってきたと言うことだ。


党大会にて鳩山首相は小沢氏支持(検察との対決)を表明。
これでもし仮に小沢氏にもしもの事が起こった場合、鳩山政権は失脚を余儀なくされることとなった。
小沢氏は現在党内で最も大きな影響力(というか権力)を持ち、日本の政治の「形」までも変えてしまった。
地方の政府への陳情を与党幹事長に一元化したことなんかは最もわかりやすい例だ。


幹事長と首相の同時失脚。


果たして、次の与党の盟主の座を誰が射止めるのか。
虎視眈々と次の政権を伺う閣僚達の思惑が。。


そしてその後の参院選での国民の選択は?
小沢氏失脚ですぐさま政権再交代が起こるのか。
それとも与党はそのままに、新たなリーダーの下での立て直しを期待するのか。



反対に、小沢氏の容疑が晴れた場合(容疑が固まらなかった場合)、
今よりも強固な小沢体制が築かれるかもしれない。
その際、「説明責任を」と求めた閣僚、小沢批判が疑われる議員らが冷や飯を食う事になるやも。。



政治の話、というより、(山崎豊子小説のような)人間ドラマと見たとき、
目の前でこんなにリアルな物語を演じてくれているのを見逃す手はない。
折角の機会だ。
これからの動き、彼らの心情を妄想力で保管して存分に楽しんでみましょう。


観覧料は税金で。





18日に招集される通常国会
野党はこの話を叩いて政権交代を要求する話しかしてこないはず。
国会では政治の話をして欲しいもんだね。。